[シリコンバレーでの私たちの暮らし][アメリカの大学]卒業校の学長からお礼状がついて感じた日米の大学の違い

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Nice!
娘の大学の学長から私宛にお礼状がついた。
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娘は4月末に卒業した訳です。その間、舞台芸術学部のほうは、どんどんのびて行き、最後には、エジンバラ国際フェスのフリンジで、フリンジファーストを大学が頂くことになり、学内報でも大々的に取り上げられた。その影響で、今年は、西海岸の大学で初めて、レミゼラブルの興行権も得た。今年の入学生は、ものすごい競争率でだったそう。
学長からの手紙の内容は、

すばらしい娘さんをうちの学校で学ばせてくれてありがとう。彼女が、うちの大学で学び成し遂げてくれた事はすばらしい事で、私達も彼女と過ごせた大学生活を嬉しく思う。

云々....。
みたいな事です。
この手紙を読みながらふと日米の大学の違いを考えた。
日本では大学に生徒が来ないと嘆いているけど、こういうマメな事をしてるのだろうか?ということ。在学中明らかに大学に対して貢献した(名前が知れ渡る様なことをした)り、いい事をした人を、放置したりしていないか?ということ。きちんと認めて表彰してないか?ということです。
母親なんていうのは、大学に子どもをいかせれば、大学の話を友達どおしで話しますし、まだ高校生のお母さんからとかからも、必ず

大学はどうですか?

とか聞かれる訳だ。
そのときに

何してるんだか....。

と答えるのと

余り連絡がないのだけど、大学がえらく生徒を大事にしてくれているので、安心です。

と答られるのでは大違い。
こういう学生一人一人をきちんと把握しておくような細かい営業努力も大学には必要です。
さらに、大学受験の頃、娘に合格通知が来たけど、行かなかった大学からは、娘に対して、「どうして来なかったのか?」というアンケートが送られてきて、答えた人には抽選で200ドル貰えるとか、そういうのがあった。もらったアンケートの内容はデータとして大学が保存してうまく活用してゆくのだろう。けど、決まってそういうことをするのは、経営がうまくいって、人気で難易度の高い大学。やっぱり経営うまいなー、こけてもタダでは起きないって言う感じ。
こういう努力もしないで、会議室で教授陣や経営陣が頭つきあわせて、「学生が、来ない」って言ってても、学生は当然来ないと思う。
さらに大学を受ける前までさかのぼると、日本は、大学の選択を「偏差値でどこに入れるか?」を最優先で決めるけど、アメリカの場合は、何を学ぶか?が非常に大事になってきます。それが決まると、自分がその学びたい事でやりたいことを出来る大学ということでしぼられてくる訳で。もちろん、やってみて違うなーと思えば、学部変更は普通にあるし、大学変更まで普通にあります。
なので、日本の学生の人に
「大学は?」と聞くと、「○○大学です」
という答えが帰ってきますが、アメリカの場合
「○○大学で○○を学んでいます。」と学部が返ってきます。さらにそこで内容まで話す子もいる。
それで、大抵の場合、学部を言われると、
「へっー。どういうこと学ぶの?」となる訳で、そうなると学生の方から立て板に水のごとく、学んでいる事や将来の事や夢が話されます。なので会話が弾む弾む。
日本の学生さんの場合は、
「○○学部」で終わりです。
どういうこと学ぶの?ときくと、本当に短い言葉で、
「○○とか..」と返って来て、そこからなかなか話が弾まない。うっ...。会話が続かないなぁと思う時がある。
さらにアメリカの生徒達は、自分の学ぶ大学に理由があって入っているので、大学のロゴ入りの物を持っています。恥ずかしいなんて思わないでしょう。だって学ぶ事がきっちりとあり、目的があるわけで。
で、親の大学に対する捉え方も違います。というのも、生徒達は、
帰省時には、どこの大学にでもある
"○○大学のママ”や”○○大学のパパ”
というロゴの入ったシャツや、大学名の入ったマグカップ。兄弟の赤ちゃんにまでお土産が買える様にベビー服や小さい子どもの服まで大学の購買部に売っています。
なので、我が家には、大学ロゴのはいったマグカップやらシャツやら、車のステッカー、ナンバープレートの額などなど、いろいろあります。
うちの息子でさえ、少ないお小遣いの中から自分の大学の購買部でシャツを購入して着て歩きます。
これらの違いは文化の背景ももちろんありますが、いい悪いというより当然の事ですが、
自分の大学の存在価値を明確化できない大学、学生に対して売りがない大学、学生のニーズをつかめない大学っていうのは、なくなってあたり前なのかもしれません。
アメリカだって、営業努力がない大学は普通に廃校になっていきます。
大学だってものすごく大変な経営力が必要で、データ解析から、宣伝活動、細かい営業努力までします。あぐらかいていたら、倒産するっていうことですね。