渡の行動のセラピストの方が、我が家に来ました。目から、ウロコの話が多く・・。 一番すごいと思ったのは、クラスの授業の進行を妨げる子供の対処法の一例でした。 アスペルガーと多動をあわせもつA君は、目上の人が話し始めると必ず手をあげて、次から次へと質問します。 なので、授業が前に進まずまわりの生徒もたいくつしてきて、学級崩壊が起ります。 みんなでA君に質問を控えることや、順番に質問すること等を指導しますがうまくいかず・・。先生も 「またか・・。」 という感じになって、みんなA君にうんざり・・。でした。 行動のセラピストが学校にやってきて行ったことは、彼のクラスをビデオにとり、あとで彼を呼んでそのビデオをA君に見せることです。 A君は、そのビデオをみて 「えっ・・僕って、すごく授業を妨害してる!僕ってなんて失礼なことしてるんだ!!」 と自分で言って、それから二度と授業中に質問しなくなったそうです。(←あとからA君の質問タイムをもうけます) これは自閉症は、視覚からの情報が強いことがあります。テレビという形で全体像を引いて視覚から見れるというのは、彼らにとってはとても有効です。 あとADDやLDの子どもたちにも有効だと思われます。授業の進行を妨げる子供さんは 「授業の進行を止めてやる!」 と思ってわざとやってる人が全員ではないからです。あふれてくる「話したいこと」を話してしまうだけかもしれません。 それだけでなく、普通の子供でも効果がある可能性があります。 というのも、私たち大人でも騒ぎの中に居るときは、 「どうしたら、いいんだろう?」 とあわてて冷静な判断が下せませんが、引いて客観的に物事を観ると、よくわかることってあるからです。 これって、学級崩壊が起っているクラスでやってみるといいですよね。 怒ったり脅したりせずに、子供一人一人が理解できればすごいです。 ひとりづつテレビがある部屋に呼び出して、リラックスした状態で、授業風景を撮影したビデオを見せるという方法ですよね。 そのときに子供を怒ったり、しかったりしては、いけません。 冷静で、リラックスした状態で、ビデオを見て理解させるためです。 目からうろこの話でした。 話が終わったので、無駄話をしていて、行動のセラピストの方に、 「今日、香穂が見れなかった映画のアダムを見に行くんだ。アスペルガーの話なんだけど、アダムという主人公が空気が読めずに社会で困る話なんだ。」 と言ったら 「どうして渡を連れて行かないの?自閉症は、動画や映画などの視覚から学べることが多いし、先の話のように、アダムの行動から渡は学ぶことが多いはず。渡の為になるわよ。」 と言われました。あわてて、渡を連れてゆきました。 夜遅くからしかやっていなかったのですが、渡には、出かける前にアダムの宣伝ビデオを見せました、 youtubeあがっているこれです。
渡は 「アダムを観る」 と盛りあがって2時間近くいい子で見ていました。 ストーリーも複雑になる前に、ところ、どころで横から質問して答えさせていたら、全体のストーリーを把握することができました。 「楽しかった。また見たい」 と言っていました。行動のセラピストさん、すごい!私は渡は、ディズニーしか見れないっておもっていたので、感動です。 アスペルガーの子供を持つ方は、みるといい映画ですし、アスペルガーの本人の方にもぜひ見ていただきたい映画です。 というのも、嘘が主題になっていて、アスペルガーで嘘をつかず正直に生きているアダムは、彼女がついた小さな嘘に怒り狂い、彼らは口をきかなくなります。 そこでアダムの後見人のような役をしている方が言う言葉が、感動的です。 「アダム、嘘には、2つの嘘がある。ひとつは、ずっと嘘ばかりつく人。もう一つは、愛している人を守るために愛しているからつく嘘もあるんだ」 と言います。 こういうことがうちの渡が将来、今より理解力がでてきたとしても、渡が理解することが難しいんだろうな、永遠の課題なんだろうなーと思って観ておりました。 香穂は、渡を15年一緒に生きて来たので、このアダムに感動、涙が止まらなかった。アダムの周りの人たちも感動的ってもうしておりました。