身体的症状も知ってほしい

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Nice!

私はのび太がアスペルガーと診断されて(最初の診断はアスペ、のちに検査等で高機能自閉症と確定診断)自閉症に関することを知れば知るほど、自分の幼い頃、感じていた違和感をやっとこの世界に見つけることが出来た。そして、私自身もアスペルガーの診断をされ、やっと、深い闇の迷路から抜け出せたように感じるのだ。自閉症の精神面の症状は割りと知られているものの身体的にも症状が表れることがある、ということはあまり語られていないが、これが結構、あるらしいのだ。私は幼い頃、いつも「姿勢が悪い」とか動作に関して注意を受けていた。小4の体育の時間、運動会に向けて正しいラジオ体操を練習していた。私は振りも大きく、きちんとしっかりやろう!と頑張ってきっちりした動きを心がけて体操をしていた。それなのに、何度も注意されてしまうのだ。「まっぷーさん、きちんと腕を回して!」「だらだらしないで!」えええ?どうして?私はこんなにきちんと真剣に一生懸命にやっている。一体、私のどこがキチンとしていないんだ?!と思いながら、何度も注意されているうちに泣きたくなりながらも、その頃の私は自分の感情を絶対に表に出してはいけないと思い込んでいたので、必死にこらえて、叱られつつも頑張った。もう、ラジオ体操が大嫌いになった。ラジオ体操のあの曲のイントロを聴くだけで気持ち悪くなった。だから夏休みのラジオ体操はずっと行かなかった。姿勢も悪い、と、よく注意を受けた。「気をつけ」の姿勢がダメだ、とよく言われた。いつも注意されるので、特に意識して、今日は注意されないように・・・と、毎回毎回、背骨に力をいれ真っ直ぐになるように頑張っていたのだが、どうも担任は私の姿勢が気に入らないらしくいつもいつも注意された。いつもいつも注意されるのだけど一体、どこがダメで、じゃあ、どうすればいいのか全く教えてもらえず、私は体のつくりがおかしいのではないか?!と、悩んだこともあった。自分では全く気が付かなかったが私は箸を使う時、字を書くときなどに微妙に手が震えているらしかった。「どうして、まっぷーちゃんはいつも手が震えるの?」と、聞かれたことがあった。「え?震えてないよ?」と言うと、「震えてるよ~自分でわかんないの?!」と、周りにいた子たちが口をそろえて言った。え?自分では全く気づかなかった。そうなの?私、みんなが見て解るほど、手が震えているの?それから、自分で箸を持つ時、字を書くとき、自分の右手を凝視したが、解らない。でも、周りがわかるということがショックで、箸を持つ時、左手で右手首を押さえて震えないようにしたこともあった。これがすべて、発達障害のためであるかもしれない、ということが解ってきた。発達障害による脳の運動機能の問題で独特な動きや姿勢になることがあるらしいのだ。「震え」と言うものについては発達障害が直接関係しているのかわからないが、私の場合は幼い頃は特に自立神経失調症と言われていたし精神的に不安定なところもあったため、それらの二次障害的なものでもあったのかもしれない。発達障害にはこういう身体的な症状もある、ということを知ってほしい。こういう子供自身に自覚の無いことで叱咤され自己否定感を持つことの無いように本来、発達障害、特に自閉圏の子は何事においても一生懸命に真剣に物事に取り組んでいても逆にそれが障害ゆえの症状からふざけている、だらしない、と見られることもある。発達障害という障害自体は本人にとって何も問題ないのだ。問題なのは周囲の無理解から来る二次障害だ、ということを、知ってほしい。大人になって診断された者のひとりとして伝えておきたいと思う。