中学校時代。その3

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Nice!

続きです。そんなわけで、実家近くの中学へ転校しました。不運にも、転校初日は学力テストの実施日でした。何が何だか分からないままテストを受けましたが、前の学校では習っていない範囲からの出題だったので、まったく解けませんでした。ここの学校では順位が出ましたが、それはそれは酷い結果でした。記憶力だけは優れていた私にとって、テストで失敗したという経験は、初めてのことでした。時期外れの転校生というだけで私は注目されていましたが、悪い噂が脚色されて広まりました。「あの転校生、かなり頭悪いらしい」「学年最下位だったらしい」「バカが転校してきたせいでクラスの平均点が下がった」・・・。色々と言われていました。私はそれ以来、勉強する意欲を失くしました。教科書もろくに見ませんでした。だから成績は悪いままでした。私なりの反抗でした。今まで何があっても逆らわなかった私の行動に少し変化が現れました。これが二次障害の始まりだったのかもしれません。だけど相変わらず無口で無表情な私は、反抗する気持ちを言葉や表情であらわすことはなく、学校にも休まず毎日通っていました。こうして誰にも気づかれないまま、私の二次障害は静かに始まりました。つづく。