小学校時代のお話です。アスペルガーは運動が苦手な人が多いですが、私も例にもれず。平衡感覚が弱いことが原因だそうです。私の平衡感覚はかなり悪いようで、乗り物酔いの酷さは相当なものです。乗り物だけでなく、普通にクルっと体を一回転させただけでめまいがします。運動で特に苦手だったのは球技です。どの球技も全部苦手でした。あまりにも下手なので特訓を受けたこともありますが、まったく上達しませんでした。アスペルガーにチームプレイは不向きだと思います。私が唯一得意だったのは水泳です。クラスの男子よりも速く泳げたし、県大会に出場したこともあります。周囲の状況に合わせて動かなければならない団体競技と違って、水泳は個人競技なので、１人で自由に出来るところが良かったのかもしれません。だけど実は小３までは、１ｍも泳げませんでした。それまで通っていた学校には何故かプールが無かったのです。市民プールとかで水遊びしたことはあるけど、ちゃんと泳いだことはありませんでした。ところが３年の時に転校して、そこの学校は水泳が盛んに行われていたので、泳げないのは私一人でした。すると担任の先生に、「３年生にもなって１メートルも泳げないなんて！」と凄く怒られて、しかも転校生ということで注目度が高く、「あの転校生全然泳げないんだって～！」というように、他のクラスの子にまで嘲笑われました。見下されることを人一倍嫌う私はもう悔しくて悔しくて…こういう場合、さらにやる気をなくす時もありますが、悔しさをバネにやる気を出す時もあります。水泳に関しては後者でした。夏休みに毎日プールに通って練習をしました。これも過集中の一つかもしれません。一日も欠かさず、午前も午後も、ずっと練習しました。休みが明けた頃には、余裕で泳げるようになっていたので、先生も褒めてくれました。褒められたのが嬉しかったので、冬も温水プールに通うほど泳ぐことに没頭しました。こうしていつの間にか、大会に出られるほどの力をつけることができました。でも、とても残念なこともありました…。つづく。