のび太の宿題で「1週間、家で自分がした仕事を記録し、 その内容、様子、工夫したことを書く。」と言うものがあった。のび太が以前から「のび太の家での仕事」としてやっているのは、食事の配膳、食事のあとの食器運び、テーブル拭き、ロック(愛犬)に食事をさせる、ロックのトイレの片付け、(時々)お風呂掃除・・・・・である。今回の宿題が出されて、「僕、お米研ぐ! あと、ちょっとお料理もやってみたい!」と、張り切っている。決まったこと、いつもやっていることは完璧に???こなしてくれるのび太。しかし、初めてのことは苦手なのび太。お料理か・・・確かにのび太は料理なんかやったら、きっちりきっちりやるだろうから料理人とかも向いているんじゃないか?なぁ~んて思っていたが、何せ、お手伝い、というものはさせる方の忍耐力が試される試練の時でもあるのだ。「じゃあ、お味噌汁の味噌をといで入れてくれるかな?」「了解しました!」まあ、無難なところから頼んでみた。張り切ってやってくれる。よしよし・・・「なんか、切ってみたいなぁ~」出た!!!切るのか?!切る・・・いやいや・・・これからのオトコは料理くらいチャチャッとできないといけないのだ。恥ずかしながらうちの旦那なんて米がどこにあるのか、醤油がどこにあるのかすら、知らないようだし(恥)そんなんではイケナイ!「よしっ!じゃあ、サラダのキュウリを切ってもらおうか!」「やった~!」包丁はカレーを作る時にジャガイモを切るので何度か経験させたけど、キュウリの薄切りって結構、初心者には難しいかった!包丁の持ち方、キュウリの抑え方を教え、「じゃあ、いつもサラダで食べてるくらいの薄さに 切ってみて」と、「これくらいで」と、見本を見せる。・・・・・・・「う~ん・・・これって何センチくらいだろう? いや、何ミリか・・・?」出た!やっぱり言うと思った。何センチ、とか、何ミリとか、はっきり数値で示して欲しいのび太。でも、家庭料理は「テキトー&おおよそ」が命!(まっぷー持論・・・汗)「あ、だからね、何ミリとか計らなくていいんだよ。 だいたい、お母さんが切った、これと同じくらいで・・・ これより薄くてもちょっとくらい厚くなってもいいの!」「う~ん・・・じゃあ、これくらい?」ザク・・・「どう?これくらい? お母さんが切ったやつと比べてみよう!」と、私が切ったキュウリと自分が切ったキュウリと厚さを比べるのび太。・・・・・・・・・・いちいちそんなことしてたら夜が更けるぞ・・・いや・・・我慢、我慢・・・「あ、ちょっと僕の方が厚かったかな? お母さんのヤツって1ミリくらいかな? ちょっと定規持ってくる!!!」え?ちょ、ちょ、ちょっと!「のび太!いいんだってば! あのね、お母さんだって厚くなったり薄くなったりするし、 のび太は始めてやるんだからこれくらい出来たら 十分、上手なんだよ! 計んなくていいから、まず切ってみようよ!」「うん!解ってる! でもちょっと計ってみたいんだよ!待ってて!」・・・・・「おお~!お母さんの1,5ミリ・・・って感じかな? じゃあ、今度は計って切ってみよう・・・ え・・っと1,5ミリ・・・ってここだから・・・ こうやって・・・・・・」・・・・・ザク・・・・・「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」「ほら!今度はちゃんと1,5ミリで切れた!」「・・・んおお・・・すごいね・・・ だけどね、のび太、ご飯作る時、そうやって計ってたら ご飯なかなか出来上がらないんだよ。 だいたいでいいんだよ~ こうやってね、ザクザクザク・・・って適当でいいのさ~」「おおお!早い~スゴイ~! お母さんって10秒間に何枚切れるんだろう? 計ってあげるから切ってみて! ヨ~イ始め!!!」「・・・・・ザクザクザクザク・・・・・・」「おおお!10秒間で31枚~!! と言うことは、1秒間に約3枚切ってる! スゲ~速い~!!!」アスペのび太にお手伝いをさせるということは忍耐の修行でもある。その日の宿題の欄にはこう書かれてあった。「お母さんはキュウリを1秒間に3枚切っていました。 僕も練習して1秒間に3枚、切れるようになりたいです。」・・・のび太のお手伝いは、これでいいのだ!?