忘れられた子にはならない

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Nice!

ツヨは一言も話せません。インフルエンザでつらい時も、じっと黙ってつらさに耐えていました。目で私に助けを求め、ピタッと寄り添ってけっして離れず眠りました。元気になって、気が付いてみれば、ツヨは週2回しか幼稚園には行かないので、残すところあと、5回しか登園しません。が、卒園モードなのは私だけで、ツヨは卒園するなんて、夢にも思っていません。朝、幼稚園の制服を出してやると、自分からいそいそと着替えます。ブラウスにズボン、ジャケット。カバンを提げてスキップで出かけていきます。この楽しい日々が永遠に続くと、もしかして思っているかもしれません。小学校にはじき慣れるんでしょうが、説明できないことが不憫です。道を選択しているのは私だけど、歩いているのはツヨ。私達の声は、ほとんどツヨに届かないし、思い込みや独特のこだわりもたくさんあって、コトと一緒の小学校の特別支援学級には通えません。私の強い希望を聞いてくださって、幼稚園で専任の介助の先生をつけてくれたので、楽しく幼稚園に通うことができました。もちろん、参加できることとできないことは、はっきりと決まっています。幼稚園側も、できないことははっきりと断ってきます。私も、ほとんど納得して、引き下がります。できないことはできないからです。幼稚園に通うことで、顔見知りのお友だちも増えました。ここで地域にツヨのことを知ってもらわなければ、この先、道を歩いていても、あのキーキー言っている子はだれだろう?とかえ、コトちゃんて一人っ子じゃないの?とか言われることもあったかもしれません。直接関わってくれなくても、あ、ツヨくん。って気づいてもらえるだけでもいいのです。これからもめげずに、地元の小学校にも交流に来たり、可能な範囲で、子ども会や集会などにもツヨを連れていきたいです。だって、もう一人いるんです。一生懸命、ひたむきに生きている子が、楽しい!と心から笑う子が、うまく関われないけれど、お友だちが大好きな子が、わが家にはもう一人、いるんです。忘れられた子には、ならない。                    ツヨに応援のクリックをお願いします! ↓