2008年の年が明けて、もう2009年である。昨年の暮れは大変だった。現在も続いている事柄ではあるが、世間を騒がせた「派遣切り」。11月始め頃、中間管理職である私は『派遣切り』を宣告する立場として、まさにその渦中にあった。「ある日突然、仕事が激減した・・」という状況の中で、経営判断としては致し方のないことだったと理解はしている。「ポイ捨て」でなく、それまでの貢献に報いて一定期間の保証をつけてくれた経営者には、むしろ感謝さえする次第であるが、なんともやりきれない感情は残った。一人一人呼び出して、「解雇」を通告する・・・・・涙を見せる者、覚悟をしていたらしく気丈に振舞う者、思考が止まったように固まってしまう者、はかり知れない感情の揺れを感じずにはいられなかった。数百人が働いている会社の僅か20人余りの小さな職場。たった1週間の間に3分の2の仲間が居なくなり、それから間もなく他の職場でも次々と「派遣」や「契約社員」といった非正規雇用の者達が泣く泣く職場を後にしていった。20年近く勤めてきた中で、こんな辛いことは初めてだった。クビを宣告した者たちの顔が脳裏を離れず、クリスマスや毎年恒例の忘年会も全く楽しめなかった。年末年始の休暇の間も、何処かに出かける気にもなれず、子供に振り回されながら無気力に過ごしてしまった。明けて2009年。世の中は厳しさを増していく一方であろう。これからの1年、少しでも良いことがありますように。