私は年に１～２回、実家に帰省していますが、毎回何らかの原因で、酷いパニックになります。子どもの頃の、膨大な量の消せない記憶が、鮮やかに蘇るからです。親に怒られたこと、嫌いな食べ物を残したら無理やり食べさせられたこと・・・・この家のこの部屋のこの場所で・・・・私は子供の頃、親に反発したことは殆どありませんでしたが、今になって、何か思い出すたびに、「あの時本当は嫌だった」と、何十年も前のことを責めてしまいます。また、小さな田舎町ですから、外に出ると中高時代のクラスメイトにすれ違うこともよくあり・・何年か前に喫茶店で食事していたら、私の不登校の原因になった人が偶然近くの席に座っているのを発見しました。むこうは私に気づいてなかったけど。私はフラッシュバックを起こして頭の中が固まってしまいました。食事どころではなくなり、急いで店を出て家に帰り、家で大暴れしました。そんなことが度々あります。実家に帰省すると必ずパニックになる。それが分かっていながらも毎年帰省するのは、「息子の面倒を見てもらえるから」とか「息子が祖父母（私の親）に会いたがってるし、祖父母も孫に会いたがってるから」・・などなど、様々な理由があるわけです。でもできればパニックは避けたい。私がパニックになると、自分も困るし、周りも困る。そこで今回の帰省の際には、パニックの抑え方を、私なりに考えてみたのです。私のパニックの要因の１つとして、視覚や聴覚の過敏が関係あると思います。ですので、視覚や聴覚に刺激の少ない場所を作ろうと考えました。実家の家族の理解を何とか得ることができ、いちばん奥の小部屋を、私のパニック抑制の専用部屋にしてもらいました。納戸として使っていた部屋なので物がたくさんあったのですが、全て他の部屋に移動してもらいました。壁に貼ってあったものも全て取り除きました。視界や耳に何も入ってこない空間。パニックを起こしそうになった時、ここに閉じこもると、不思議と心が落ち着きました。昔の記憶を消す方法は見つかりませんが、パニックを抑える方法をひとつ覚えました。一歩前進です。