エール

27
Nice!
出版したばかりの「おさんぽいってもいいよぉ~」のページを開くと、唐突に本文に入ります。でも実は、最後の最後まで、2ページ分の幻のプロローグがありました。以前、ブログでなんとなく書き綴った内容を、修正した文章でした。それを、ここでこっそり(?)公開してしまいます。「次はあなたの番です」「はい」「あなたは、男の子として誕生することに決定しました」「ありがとうございます」「ただ、とても言いにくいのですが……」「はい?」「あなたには試練を与えなければならないことになりました」「……試練?」「あなたは今回、障がいをもって誕生することになりました」「どんな障がいですか?」「自閉症、という障がいです」「自閉症……」「加えて、あなたに与えられる寿命も15年と決まっています」「15年……」「あなたは、とても特別な子として生きることになります」「…………」「会話も難しい。気持ちを表現することも難しい。親と意思疎通することすら難しい」「…………」「それでも生まれゆくことを望みますか?」「……お願いします」「特別な子として生まれゆかなねばならないあなたには、両親の選択権を与えます」「…………」「二人兄弟の長男として生まれることになるので、弟の選択権も与えます」「……ありがとうございます」「もう少し時間に余裕があります。ゆっくり選んでください」「……もう決めました」「その判断でよろしいのですね? 」「はい、私の選んだ両親と弟ですから……」私も習作時代、新人のためのシナリオの懸賞に、それこそ何本も何本も応募しまくりました。でも、最終選考に残った作品は一本もありませんでした。落ちるたびに、悔しかったし、選考委員のことボロクソに言ってたっけなあ。。。でも、不思議なもんで、私はシナリオで食えるようになりました。同期の頃、入選や佳作に残った友人たちがちゃんとシナリオで食えるようになったかというと、かなり怪しかったりしています。私も、あの頃に選ばれていたら、脚本家にはなれなかったような気がします。世の中そんなに甘くないです。悔しさをバネにすることができなければ、結局はダメです。たぶん。。。【本をよろしく】【人気blogランキングもよろしく】