オーティズム・アゥエアネスの月である4月は、一般の人に自閉症に関する認識を高めてもらう為のイベントが数多く行われている。去年のこの時期に始まった「ロック・オーティズム」は音楽ケーブル局VH1のが主催しているのだが、その後も1年間ずっとスポットを流し続けていて、現在も続行中だ。エアロ・スミスのスティーブン・タイラーやKISSのジーン・シモンズが真面目な顔をして自閉症の現状を伝えるこのスポットは、僕が感じたのと同じようにロック・ファンである親なら誰しも心強く思うに違いない。こうした有名人の活動は、それに加えて一般の人へのアピールも絶大な効果があるだろう。サイトに併設されたコメント欄を読んでいると、その反応は手に取るようにわかる。先週の日曜は、やはりケーブル局のコメディ・セントラルが主催した、ライブ中継のファンド・レイザーが行われた。多くの有名コメディアンが登場して、募金を募るというものなのだが、かなりきわどい内容で、見ている方が心配になってしまうようなジョークや、放送禁止用語も連発されているような状態なのだが、合間に自閉症の現状を紹介するビデオなどが流れ、募金の趣旨は一貫して伝えられている。コメディアン達のパフォーマンスも、それぞれが募金につながるようなメッセージを持たせてはいるのだが、それとは関係なくばかばかしさに笑えてくる内容でもあった。シット・コムの人気番組オフィスで主演するスティーブ・カレルは100ドルの募金を例に100ドル分のカクテルとケーキを食べてみせたり、売り出し中のサラ・シルバーマンは自分に自閉症の従兄弟が居る事を冒頭でちょっとだけ触れるのだが、最後は体をはった芸で爆笑を誘う(ビデオ参照)。しんみりとした雰囲気はどこにもなく何も考えないで見ていれば大物コメディアンの集結した豪華なショーなのだが、当事者である僕にとってはそういった気の抜け方も心地よく感じられるものがあった。全体にあたたかい思いやりの気持が流れているのがわかる。とりあえずは何でも良いから知ってもらえることが有り難いのであって、逆に涙の感動ストーリーを番組にして見てもらえないより、人寄せ的な番組でもたくさんの人に見てもらえた方が興味の無い人にまで知ってもらえるチャンスがあると思うのだった。 スポンサーは日本が誇るトヨタでした