なんで、こんなに長いシリーズになっちゃったんでしょう・・・でも、1年生の頃のことはあまり記事に残していなかったので、よかったら私の記録作りにお付き合いください。さて、学校という、評価や成果がはっきりと目に見えてわかるようなシステムの中で、のび太はどんどん自己評価を下げまくっていったのです。そのたびに、「人には誰にでも、得意なことと苦手なことがあるんだよ。どんなに頭のいいS先生だって苦手なことがあるんだよ。のび太は水泳は苦手かもしれないし、給食も苦手かもしれない。だけど得意なこともたくさんあるでしょ?のび太はほかのお友達よりもいろんな事を覚えるのが得意でしょ?地図とか算数とか漢字とか、ほかのお友達よりもたくさん知ってるじゃない?それでいいんだよ。何でもかんでもすべてのことが完璧に出来る人なんて世の中にはいないんだよ」と、何度も何度も呪文のように繰り返し、言い聞かせてきました。でも、でも、やっぱりのび太のこだわりは、「1番」「100点」「決まりを守る」なのです。そして思い描いている「1番」「100点」「決まりを守る」という自分なりの達成感想像図にあてはまらないと、学校でも激しいパニックを起こしていました。友達ともうまく意思疎通できないことでのトラブルや、「きまりを守る」こだわりから、友達にもそれを強要する、などといったトラブルで、のび太はどんどん、パニックの頻度も増し、その激しさも増してきて、「パニックを起こす自分」に対しても自己嫌悪でますます自己評価が下がっていくのです。そこでS先生の秘策・・・。まず、「嫌な気持ちになって泣いてしまったら、どこか教室以外の場所でゆっくり気持ちが落ち着くまで、気持ちを休めていいんだよ。」と、教えてくださったのです。保健室と職員室、どちらがいい?と、のび太に選ばせて、保健室はほかにも誰かいることが多いし、大人と会話をすることが好きなのび太は、迷わず職員室をセレクト!職員室をのび太のカームダウンエリアにしてくださいました。普通「カームダウンエリア」というと、カーテンや仕切りで囲った静かな空間・・・をイメージします。しかし職員室を選ぶところがのび太らしい選択なんです。友達と掃除のことでトラぶってパニクったときなども、自ら、「職員室で気持ちを落ち着けてくる」と、泣きながら宣言して、職員室で先生方に相手をしていただき、カームダウンしていたらしいです。教頭先生に新聞を読んであげて、「のび太くんはその記事の漢字、全部読めるんだ!すごいね!」と、誉めていただいたり、校長先生と教頭先生と「この柿は甘がきか渋柿か?」と、あれこれ推理して、校長先生が食べたら「渋柿だったんだよ〜!」と、楽しい時間で気持ちを切り替えたり・・・。しかし、せっかく気持ちを落ち着けるための場所なのに、チャイムが再びのび太の気持ちを乱すのです。「あああ!チャイムが鳴ったのに席についていなかった!!!」と、またパニック逆戻り・・・大泣きして教室に戻って、結局カームダウンしてないし・・・(爆)そこでS先生はクラスのみんなに、「誰でも体が具合悪くなったり怪我したら保健室に行くよね。気持ちが辛くなっても保健室に行ってもいいんだよ。保健室が嫌な人は職員室でもいいです。その代わり、行くときは先生に『保健室(職員室)に行きます』って話してから行って下さい。そのときはチャイムが鳴ったからといって、慌てて教室に戻らなくてもいいんです。そのときは、遅れてきてもOKなんですよ」そう。心だって体と同じように辛いときがある。それはきっと、自閉症ののび太だけじゃないのだ。そんな時、やっぱりちょっとでもひとりで落ち着きたいのは自閉症ののび太だけじゃないはずだ。学校は勉強だけする場所じゃない。心をはぐくむ場所なのだ。そして、誰かの辛さも分かり合うことで、きっと、子供たちは優しさを覚えたりするのだ。・・・・・ま、それでも、のび太は、チャイムが鳴るとパニクっちゃうんだなぁ〜・・・これが・・・そして、S先生の秘策はこれだけじゃなかったのだ!!!え〜!まだまだまだ続く・・・