思い出してもつらい

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Nice!

のび太は、かなり前のことでも、何かのきっかけで思い出して、話してくれる。幼稚園に入園したばかりの頃は、会話によるコミュニケーションと言うものがほとんど出来なかった。何かあったとしても、理由など教えてくれるはずもない。しかし、卒園間近になって、「あのね、年少さんの頃、5月頃、 バスに乗るとき、泣いたでしょ? あれね、歯科検診が怖かったからなんだ。 また、今日も歯医者さんが幼稚園にいたら どうしよう!って、心配だったの。」そう。入園から一度もぐずらずに、園バスに乗っていたのび太。それが、5月半ばになって、急にバスを拒否しだした。しかし、1週間くらいでまた、泣かずに乗れるようになった。確かに歯科検診はパニクって、先生に羽交い絞めにされて受けた、と言われた。余程、怖かったのだろう。しかし、1週間たって、「もう、歯医者さんは来ない」と言うことが分かって、安心して行ける様になったのだ。こういうことは、多々ある。小さいころによく並べていた積み木の形。この謎も、最近になって教えてくれた。(面白いですよ〜こちら←で見てね)先日、出かけたときに、ある中華料理屋さんでランチしようか、という、話になった。「あれ?でも、このお店、のび太、 嫌な模様があるお店じゃなかった?」「違うよ!ここじゃないよ! あれは○○のお店だよ!」のび太がまだ幼稚園にも上がる前だったと思うが、ある中華料理店の席に着いたとたんに、パニくった。座ってちょうど目線に当たるあたりに、アートな中華模様が帯状に延々と連なっている。(詳しくはこちら←を見てね)そのことを思い出したのか、涙目ののび太。「やめてよ〜嫌なこと、思い出させないで〜」パニックの原因になるようなことは、これほど前のことでも覚えている。そして、思い出しただけでも再び、気持ちがパニくる。またまたある日、「航空写真を撮るときに、 ず〜〜〜っと長い時間、校庭に立たされてたんだ。 目の前が真っ暗になって、立っていられなくて、 KP先生に『具合が悪いから保健室に行きたい』 って言ったのに『我慢しなさい』って言われた。」・・・と、言いながら、すでに涙目・・・!「ええ?!そんなのおかしいよ?! いくら先生でもそれは間違いだと思うよ。 具合が悪かったら、先生がダメって言っても、 保健室に行きなさい。 航空写真より体の方が大事なんだよ!」「でも、先生がダメって言ったら出来ないよ〜 もう、思い出しただけで悲しくなってくるよ〜」この子たちは、私が過去の嫌なことを思い出すよりももっとリアルに鮮明に、心の痛みとともに思い出してしまうんだろう。抜群の記憶力も手伝って、嫌なこと、辛いこと、悲しいことも、そう簡単には忘れないのだろう。辛い記憶の上に、楽しく素敵な思い出を上塗りしてあげたい。いつも、のび太の「思い出し涙」を見ては、思うのであります。