アスペルガー症候群に関係するのかどうかは定かでないが、私は人の顔がなかなか憶えられない。
実は「なかなか」なんていう生やさしいものではない。
私は私自身のこの性質で年中ひやひやする。
このあいだもそんな事があった。
私はある人物ととある駅で待ち合わせた。
その人物はネットの友人で3ヶ月ほど前にはじめて会った人物だ。
前回会ったとき、3時間も顔つき会わせて話し込んでいたはずの人物の顔を私はものの見事に忘れていた。
二度目に会おうということになったとき、その人物をその人物として認識できるかどうか、果てしなく自信が無かった。
いや、この言い方は正確ではない。
私には完全に忘れている自信があった。
はっきり言ってこんな失礼な話はない!
しかし、当日見つけられなかったらもっと最悪だ。
いや、何より、アサッテの方向を向き続けてしまったら…
私は意を決してその人物にメールを打った。
そして無礼を承知で顔を憶えていないことを伝え、こう頼んだ。
お願い、私を見つけて!と。
さて、当日…降り立った駅には人が少ないことが幸いした。
駅に迎えに現れたその人物の乗っていた車には見覚えがあった。
かろうじて憶えていたヘアスタイルと車の組み合わせでなんとかその人物をその人物と認識できた。
よかった〜
しかしこれで終わりではない…ここからが問題なのだ。
またも数時間話し込んで私は帰途についた。
駅まで送ってもらって別れて数分後…駅のホームで既に私は認識していた。
そう、その人物の顔を忘れてしまったってことを…。