自閉症の子どもと暮らす家づくり(23)

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Nice!

土地から探して家を建てる場合、最も「建売を買うのに近い」スタイルとしては、参考プランの作成からビルダーの選定まで、土地を扱う不動産仲介業者に任せてしまってワンストップで家造りをまとめてしまうやり方です。私も、当初はそういったやり方で土地探し(+家造り)が完結できるかな、と考えながら土地探しをスタートさせたわけですが、なかなかうまくいきませんでした。その1つの理由としては、土地ごとに、あるいはビルダーごとに、出てくる「参考プラン」の中身がまちまちで、かつあまりクオリティが高くなかった、ということがあげられます。私は、最終的に購入する物件が決まるまで、手当り次第にたくさんの不動産仲介業者に連絡をとり、物件を見せてもらっていました。その結果、その業者ごとにつながりのあるビルダーが異なったり、同じビルダーでも担当の支店やつながりのある設計者が異なることがあり、異なった物件にそれぞれ参考プラン作成の依頼を出すたびに、毎回間取りも見積もり金額も全然違うものが出てきました。こうなってくると、土地によって間取りや見積もり金額が異なるのが、土地の特性によるものなのか、参考プランを担当した設計者の個性によるものなのか、建物の仕様やグレードの違いによるものなのか、ビルダーの建築単価の高い・安いによるものなのか、そういうことが全然わからないため、比較のしようがなくなってしまうわけです。そして仲介業者、もしくは土地によっては、最初から参考プランが作成されていることもあり、そういった物件については改めて参考プランを作ってもらえないことも多く、比較をより難しいものにしていました。また、せっかく希望条件を出してわざわざ参考プランを作ってもらったにもかかわらず、出てきた参考プランが希望した条件と合致していないケースもしばしばありました。この場合も、参考プラン作成を無料のサービスとしてお願いしていることもあり、プランの作り直しを依頼することはなかなか難しかったりします。こういった状況なので、仲介業者めぐりをして気になった土地への見学を繰り返していくと、いちおうそれぞれの土地に参考プランがついていって「土地+建物」の比較検討ができる状態にはなっていくのですが、その肝心の建物が間取りもグレード感もバラバラで、到底比較できる体をなしていない状態になっていってしまったわけです。そしてもっと致命的なことは、どんなに参考プランを作ってもらっても、「これは希望通りだ!」という、納得できるプランを作ってもらえたケースが1つもなかった。ということでした。このことが、この後の私の土地探しの基本スタイルを大きく変えることにつながっていきます。