自閉症の息子の大学数学。テストが返ってきました。あとは、最後の期末試験を残すのみ。さすがに今回は、難しく、彼も余りいいとは言えない点数だったけど、それでもしっかり合格ライン。シラバスで決定されている配点に基づいて、全成績をトータルしたら、ほぼ、大学数学の終了が見えて来た。すごー。4年かけるはずだったのに。この科目は2回は落とすはずだったのに。まぁ、まだ期末があるので、油断できませんが、マラソンでいうゴールのテープが、かすかに見えて来た状態。
とにかく私が嬉しい事は、喜んで勉強をしていること。数学をすることによって、自信をつけたこと。これは小さい時から公文をやっていたので、継続は力なりにつながった気がします。小さい時からの勉強をする癖。宿題をする癖がやはり彼を強くした気がします。
小さい時から人の100倍怒られたんじゃないか?というくらい怒られた渡です。どんな人だって、そこまで怒られれば凹みます。社会のルールに沿ったことをしなかったので、怒られてもしょうがありません。知的障害を持つ自閉症で、ルールの理解がむずかしくてもルールはルール。守らねばなりません。けど、どうやって
「あなただって、すごいんだよ。いいところだってあるよ。みんな応援してるよ。」
ということを息子に伝えるか?が私の大きな課題です。自信だけは、どこにも売っていませんし。勘違いでも何でも(笑)自分に自信をもっていれば、不必要に悲観することもないですし、生きる時に楽になります。そうじゃなくても生きにくい自閉症を抱えながら生きてる訳ですし。
数学の先生と話したら、どうも彼は毎回クラスでトップに部屋に入り、前の授業で書きっぱなしになっている白板いっぱいの文字を毎回綺麗に消しているらしい。
授業でも話す事が苦手なのに、積極的に発言するようになって、非常にいい兆しです。
クラスのみんなは渡の発達障害には、もちろん気がついていて、(白板を消しながら、ぴょんぴょん飛ぶらしい。授業の開始が嬉しいと言う事ですね。)けど人に迷惑をかけることもないので、まったく気にする事なく、フツーに見てくれている。で、先生から聞いた面白い話は、いつも100点しか取らない中国からの留学生の子がいるのだけど、その子は練習問題などで自分の計算が終わると、計算が一番早い渡の解答を見て、答え合わせをしているそう。なので渡の隣の席です。進んで座ってくれる人がいるってすごい。
渡も黙って、嬉しそうに見せているらしい。
なんだか、自分がクラスの一員である。ということの自覚、人の役に立つ自覚ができてきた気がします。これが、社会人としての自覚に少しづつつながるんじゃないかな?と思う親バカな私でした。これらのことを学んだだけでも、彼が大学数学をうけてよかった。数学を取る事を全力でIEPメンバーに反対されたけど、話せない息子に変わって私が彼の意見を通すべきだと思い、必死でみんなを説得して、やはり取ってよかったと思う今日この頃です。あと2週間!がんばってどうぞ好きなだけ勉強してください。